活動の報告

地域の現実

兵庫県姫路市夢前町山之内。
山間にある自然豊かな緑広がる小さな村です。

山之内では住人の高齢化や過疎化の影響で病院や農協が閉鎖され、産業は撤退し、地元の姫路市立山之内小学校においては平成22年(2010)に統廃合によって廃校となり、山之内に住まう人々にとって大変厳しい現実がありました。
そして、地元農家従事者の減少や高齢化、各農家当たりの所得の減少などがあり農業を続けていくことができない現実もありました。
美しい水と空気の、小さな村にはあらゆる問題が積載していました。

この先10年、20年先の農業や村の先行きを香寺ハーブ・ガーデンは案じました。

私たちの挑戦

「播磨物語」
  香寺ハーブ・ガーデンでは平成19年(2007年)10月に経済産業省の「中小企業地域資源活用プログラム」の認定を受け、播磨地域(一部は但馬・丹波)の方々に原料供給などのご協力を得て新商品開発を行いました。これをきっかけに出来たのが「播磨物語」という、香寺ハーブ・ガーデン発のブランドです。 「播磨物語」の商品を充実させることで地域活性化・農業基盤の強化を図りたいと考えています。  国の地域活性化プロジェクトをきっかけに出来た「播磨物語」は香寺ハーブ・ガーデン本店や直営店、取扱店によって皆様のお手に届くようになりました。  また、日本国内だけでなく海外へも播磨地域の魅力を発信すべく、欧米のオーガニック・ナチュラル製品を集めた展示会に出展をし続けています。オーガニック先進国のドイツで行われたVIVANESS2014では「播磨物語」製品は好評価を頂きました。私たちの「地域と共に発展する」という考え方を世界中のお客様に発信し続けていきたいと考えています。
>>「播磨物語」詳しくはコチラ
>>展示会の様子はコチラ

不凍タンパク質の可能性
ハーブエキス抽出で培った技術で大阪大学・関西大学・兵庫県などと共同でハーブやバイオの研究を本格的に始める中で、2003年、カイワレ大根から抽出した不凍タンパク質の研究に成功しました。

不凍タンパク質とは凍結防止や氷点下での氷の再結晶の成長を防止するタンパク質のことで元来は主に、魚・昆虫・植物類の生体活動の維持に寄与している物質です。

例えば、この不凍タンパク質を食品などに添加するとデンプンの老化防止になります。この作用により、化学合成された添加物の代用品として使用することができます。私たちの不凍タンパク質はカイワレ大根と水のみで作られる自然由来の物質ですので、それを添加された食品は、安心して食べられます。また、使用する側にとっても安心して使う事ができる物質です。

不凍タンパク質
また、私たちの不凍タンパク質は食品分野だけでなく医療分野・建築分野でも応用が期待されています。例えば医療分野では血液・臓器の保存液に、建築分野では壁紙の糊に使用できる可能性があります。現在建築では壁紙の糊の凝固防止にホルマリンが使用されており、シックハウス症候群の原因とも言われています。ホルマリンの代わりに私たちの不凍タンパク質が利用できれば多くの人に役立つ可能性があります。

このように私たちはカイワレ大根からできたエキス(=不凍タンパク質)を地元産の食材で作った製品に使用することで、添加物が入らない安心・安全というだけでなく様々な機能をもった、競争力のある商品を開発できると考えています。

>>不凍タンパク質を使った商品はコチラ

山之内地域再生に向けて
2011年に私たちは廃校となった山之内小学校を姫路市より借り受け、工場に改装してスタートしました。地元の方々の小学校に対する想いを受け、改装は最低限の範囲のみにしました。 工場で製造するのは、播磨地域(一部は但馬・丹波)の農家の方々と共に開発等を行った商品などです。この商品を「播磨物語」というブランドで販売し、地域活性化を図り、地元へ還元する取組みを進めています。 山之内地域は、耕作放棄地(手つかずになった畑など)がたくさんあります。そこを利用し、地元の方々と協力して土地に合ったクワ、カモミールなどの生薬(ハーブ)を植え込み始めています。 「山之内の生活の息づかいを感じられる原風景に戻そう」という思いを胸に地域再生へ向けて一歩また一歩と歩んでいます。

第6次産業化認定

平成19年(2007年)10月、経済産業省の「中小企業地域資源活用プログラム」に基づく商品開発の支援先の認定を受け、「播磨物語」が始動しました。
また、平成23年(2011年)12月に農林水産省の「6次産業総合化事業」の認定を受けさらに充実した商品開発を行っています。
各省庁の支援は、新商品の開発だけでなく、市場調査・商品企画・販路開拓・事業実現性など多方面から評価した上でいただく内容となっています。私たちもこの「商品開発の入口から出口まで」サポートしようという各省庁の方々にご指導を頂きながら、年度ごとの事業目標や実施計画を立て、取り組んでいます。
私たちはこれからもユズ・茶・ハーブ等の地域資源を活用し、今まで培ってきた独自の抽出ノウハウを駆使して独創的な新商品を開発することで、販路開拓と事業化の達成を図り、各方面からのご支援に応えていきたいと日々努力しています。

第6次産業化で生まれた商品

平成24年度

不凍タンパク質を使用した、
国産小麦パン、米粉パン、野菜ケーキ・スイーツ、クッキー

ハープアンパン1

ハーブアンパン1

カイワレダイコンエキスをパン生地(国産小麦・米粉で作った生地)にレモンマートル風味のサツマイモあんを入れたあんぱん。 食感はしっとり。(現在改良中)

ハープアンパン2

ハーブアンパン2

カイワレダイコンエキスをパン生地(国産小麦・米粉で作った生地)にミント風味の小豆あんを入れたあんぱん。 食感はしっとり。(現在改良中)

ハーブシャンプー
カイワレダイコンエキスを入れたシャンプー。 うるおい感が出て泡立ちが良くなり、保湿力が持続。リンスがいらないシャンプー(現在改良中)

ハーブパック
カイワレダイコンエキスを入れたハチミツパック。 保湿力がさらに持続する。(現在改良中)

ハーブシートマスク
カイワレダイコンエキス、レモンマートルエキスを入れたシートマスク。 化粧水代わりにしようする。保湿力を高めたマスク(現在改良中)

ハーブソープ
カイワレダイコンエキスを入れたコールドプロセスの石けん。泡立ちが良く、泡も細かい。洗い流し後もパリパリしない。(現在改良中)

平成25年度
商品のイメージが入ります

ハーブマッサージオイル
顔・全身に使えるマッサージオイル。
オリーブオイルとホホバオイルをベースにレモンマートル・カモミールの爽やかな香り入り。

商品のイメージが入ります

ハーブウォーター(化粧水)
顔・全身に使える化粧水。
畑で採れたレモンマートルのみから抽出したハーブウォーター。

ハーブドリンク(素肌美人茶)

ハーブドリンク(素肌美人茶)
レモンマートル・ハイビスカス・リンゴ酢などをブレンドした甘酸っぱいドリンク。体が喜ぶドリンク。

私たちの未来図

西の軽井沢構想

香寺ハーブ・ガーデンが6次産業総合化事業に認定され、地域の人々との取組を以下のようにまとめました。それが山之内地区博物館(西の軽井沢)構想です。
山之内博物館 西の軽井沢構想 この構想は、大きく4つのキーワード(環境保全・生産・食と観光・健康)で山之内地区を活性化させるプロジェクトです。環境が整えば生薬(ハーブ)の生産もでき、生産されたハーブを使ったお料理を作って観光客の方々に提供すれば、生産者も観光で訪れたお客様も健康になる。という循環型の地域づくりを目指しています。その結果、地域が活性化し現在限界集落になりつつある地域に若者が増えることを最終目標に取組を進めています。